2023年12月15〜17日の3日間、北海道苫小牧市にあるココトマ ラウンジでインキュベーションプログラム第四回Startup Weekend 苫小牧が開催されました。課題解決のためアイディアを具現化していくアイディアソンで、3〜7名のチームに別れて最終日の5分ピッチに向けて事業計画を構築していきました。「あったらいいな」は「無くてもいい」、「誰のどんな課題」を「どのように解決」するのか。しっかりと顧客と向き合い、解像度の高い議論をチームで行いました。
入賞チーム全て自身の課題
今回優勝したのは、北海道樺戸郡月形町在住のアトツギです。月形町は日本、そして世界でも有数の豪雪地帯として知られており、この地域特有の課題である除雪道具のアップデートを提唱した彼のプロジェクトが高く評価されました。また、2位は農家であり、チームメンバーであるアトツギが入りました。そして、3位は経営者であり、チーム全員が彼が抱える課題に対して理解を深め、解決策を講じたことが高く評価されました。
優勝チームGG
たまたま意気投合して結成されたアダルトチーム「GG」は「ジジイ」という自虐名。チームリーダー梅木悠太氏が住む月形町は、世界でも有数な豪雪地帯で、リアルタイムな課題をどうにかしたいというものです。WHOだれ=降雪地域民、WHATなに=雑然と玄関先に置かれた除雪スコップ、WHYなぜ=ダサいスコップしかない。この課題をHOWどうやって=オシャレスコップにすることで、インテリアのように整然と玄関先に陳列することで、ストレス低減とスコップの付加価値を提供するというものです。確かに、除雪スコップはホームセンターにしか売っていなく、蛍光色の似たようなものばかりであり、機能のアップデートはあるが根本的なデザインの進化はありませんでした。
参加者のほとんどが降雪地域民であり、梅木悠太氏だけの課題ではなく、全員の課題と共感できる5分ピッチで、3日間課題認識をブラさず、一貫して解決方法の模索(ソリューション)を議論して、シンプルかつ的確な事業計画でした。
梅木悠太氏が率いる月形町で任意で活動するまちづくり団体「つきがたdesign」では、現在ローカルインキュベーションプログラム「TSUKI BIZ CAMP」の参加者を募集している。梅木悠太氏は、「Tsukigata LABO」もDIYで設立して、趣味は、まちづくりと豪語する生粋の月形ラバーである。
多事奏論
議論の悪魔スコープ(勝手な範囲)
友人や家族といった近しい人間関係では問題ないが、集団や会社といった組織の中でしばし起こる問題、それがご飯論法です。ミスリード、ミスディレクション、レッドヘリングまたは屏風の虎とも言います。厄介なのは、無意識にやっている時です。不毛な議論で時間だけがながれて1ミリも前進しない。また、組織全体がご飯論法に気付かず、本質を見失い、推論に推論を重ねて物事を決めていく事を砂上の楼閣と言う。スタートアップ最大の敵である。この問題の解決方法は1つしかない。調べる、本を読み見聞を広める、ご意見を拝聴する、やってみるといった能動的な行動をするしかありません。「能動的」であることが重要です。スタートアップは能動的なもの。他人に言われてやるものではないし、押し付けるものでもない。やりたい人だけがやればいい。
ご飯論法
質問に正面から答えず論点をずらす手法として、ご飯論法というものがあります。「朝ご飯は食べましたか」という質問に対して、「ご飯」という言葉を故意に狭い意味で解釈し、米飯のみを指すと歪曲解釈して回答をはぐらかす手法です。例えば、パンを食べていても、「ご飯は食べていない」と答えることで、質問の意図を故意に誤解し、論点をずらし、質問の本質から逸らすことを目的としています。
筆者は、意図的な論点ずらしについて、特に問題はないと考えています。しかし、筆者が懸念するのは、多くの人々が無意識に「ご飯論法」(論点ずらし)を行っていることです。このような行為は、議論の本質から逸脱し、問題の解決に至らない対話や討論を進行させることに繋がるため、危険であると筆者は感じています。論点を正すことなくただ話を進めることは、議論の質を低下させ、本来の目的から離れた方向に進む恐れがあるため、注意が必要だと感じています。
不毛な議論
机上の空論
砂上の楼閣
は、世の中で最もムダというのが、筆者の考察です。