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【2023年3月1日クラウドファンディング開始】北海道大学苫小牧研究林の魅力を伝えたい!|苫小牧市

森林資料館・森林記念館を休日にも開館し、樹木園内の案内をリデザインして、もっと苫小牧市民に利用していただきたい!苫小牧研究林の魅力をもっと知ってもらいたい!との思いから、クラウドファンディングで運営・整備資金を募ります。


2023/3/1 ~ 2023/3/31


現在の苫小牧研究林職員
現在の苫小牧研究林職員

▼北海道大学苫小牧研究林とは

1904年から現在の北海道苫小牧市高丘で、北海道大学の研究施設としてこの地で営んでいる。正式名称は北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション苫小牧研究林 (南管理部技術室)である。苫小牧市面積の1/20を占める2,700ヘクタールを有する広大な研究林だ。

蛇行を繰り返す幌内川
蛇行を繰り返す幌内川

敷地内からは豊富な地下水が吹き出し、湧き水となり、幌内川を形成している。その幌内川から取水して苫小牧市内に水道水を供給している。苫小牧市民にとっては、日常的に生活の一部となっており、意識せずとも日々苫小牧研究林と密接に関わっている。


研究林?演習林?と言い間違いをされることが多々あり、現在は研究林であるが一時的に演習林と名乗っていた時代もある。

石城謙吉元林長
石城謙吉元林長
苫小牧研究林入口看板
苫小牧研究林入口看板


▼都市近郊林

学校、公園、コンビニ、住宅街の道路を進むと急に景色が一変する。もうそこは苫小牧研究林の敷地内に入っている。庁舎周辺は元林長であった石城謙吉先生が、1970年代後半に『樹木園』として整備した場所である。石城先生は、都市と共存している欧州の『都市近郊林』を参考にして、林業・環境保全の機能に加えて、人々が自然と触れ合えるレクレーションの要素を組み込み、森をデザインしたのだ。大人気のシマエナガをはじめとした可愛い小鳥たちが飛び交い、キツツキの木を打つ音が森全体にこだまする。エゾリスが足元を通ったかと思うと、木々の向こうからエゾシカの親子がこちらの様子を伺う。小川には秋になるとサクラマスの成魚が海から産卵のために遡ってくる。この樹木園周辺を散策するだけで、自然の営みをぐっと身近に感じ取ることができるのだ。

参考著書:森はよみがえる


▼苫小牧研究林クラファンの本質

前提の話が長くなってしまったが、2023年3月1日から始まるクラウドファンディングの本質に深く関わっている。それは、苫小牧研究林職員たちが日頃感じている「都市近郊林の目的が果たせていないのでは?」という課題を抱えているからだ。目的とは、市民の日常的な行動圏内にある休養緑地としての役割を果たすことである。既に、水源の提供、森林公園の開放共有をしており、充分役割(目的)を果たしているようにも思えるが、大学としての「知財」の共有はできていないのでは?というのが、今回のクラウドファンディングプロジェクトの本質である。


職員の日常会話には、『今日はどこどこでネズミが...』『あっちではキノコが...』といった、非日常的なワクワクする面白いことが毎日起きている。シマエナガなどの小鳥、あちこちを歩き回るエゾリスなど様々な野生動物が樹木園内で手軽に観察できる。幌内川に住むほとんどの個体(合計3000匹以上)のお腹には小型のICチップが埋め込まれていて、研究林内の約5kmの区間での動きを常にモニタリングしている。などなど。


苫小牧研究林の面白い魅力を共有したい!これが、苫小牧研究林クラファンの本質である。


2023/3/1 ~ 2023/3/31



▼森林資料館・森林記念館の開館、樹木園内のリデザイン


大学の予算規模が年々減少していく中、開館のための人件費を捻出できない状態です。そのため森林資料館と森林記念館の開館が月に一回(平日)*に限られており、休日に散策してくださる訪問者の皆様に貴重な資料を見ていただくチャンスがほとんどありません。また樹木園の案内看板が不十分で、特に初めていらした方はどのように林内を利用したら良いのか分かりにくいという問題点がありました。

*4月から10月までの毎月、最終金曜日


そこで森林資料館・森林記念館を休日にも開館し、樹木園内の案内をリデザインすることで、エリア全体を今よりも充実させられるのではないかと考えました。そして訪れた方々に苫小牧研究林の魅力をもっと知ってもらいたいと考え、クラウドファンディングで運営・整備資金を募らせていただくことにしました。


ご賛同いただける皆様とともに、苫小牧研究林の魅力を発信することができたら嬉しく思います。どうかあたたかい応援を心よりお願い申し上げます。

森林資料館の展示物
森林資料館の展示物

目的その1:森林資料館と森林記念館の休日開館

現状では開館が4月から10月までの毎月最終金曜日に限られています。今回のご支援で2名の専属スタッフを2023〜2024年度の無雪期(4〜10月)に雇用し、一般の方に利用していただきやすい週末(土、日のいずれか)に森林資料館と森林記念館を開館することを目指します。これまでは見る機会が限られていた貴重な標本や品々を公開する時間を増やすことで、苫小牧研究林の魅力をより一層多くの方々に伝えられるようになります。第二ゴールとして、維持費のかかる積雪期(11〜3月)の開館も目指します。


目的その2:森林資料館の展示の改良

研究者が一般の方々に科学的なトピックを伝えることをサイエンスコミュニケーションと呼びます。これまでサイエンスコミュニケーションに興味を持っている学生さんとともに、苫小牧研究林の魅力を知っていただくための改良を行ってきました。たとえば、毛皮を目的として移入された外来種の毛皮を実際に触れるようにし、なぜ移入種が野生化するに至ったのかを手で触って感じ、考えるコーナを設置し、来館者のみなさまにご好評をいただくようになりました。しかし限られた予算しかなく、学生の交通費やバイト代などを支出できないため2ヶ月間の短期活動に終わってしまいました。そのため今回のご支援を学生の交通費とバイト代とし、より継続的に展示の見直しを行っていきます。



目的その3:樹木園の案内板のデザインと再設置

私たちは苫小牧研究林の一部を皆さんに開放しています。ところが、、

初めていらっしゃる方は入っても良いのか?どこまで入っても良いのか?と悩まれて、森の入口までいらしたにも関わらず戻ってしまうことが多いそうです。

これはひとえに、わかりやすい案内板が設置されておらず、私たちが伝えたい情報が正しく伝わっていないことによります。この問題を解決するべく、これまで手製の看板を設置したり、地元のデザイナーと共同で園内マップを作成して参りました。


しかし夏は多湿、冬は寒冷な気候に耐えうる、パッとみてすぐ理解できるような大きな看板の設置は困難でした。そこで来林者の皆様にわかりやすく情報をお伝えするために、今回のご支援を大型の看板を各所に配置する費用に使わせていただきます。看板の表示は、わかりやすさと森への親和性を重視し、デザイナーの方と一緒に作成を行います。さらに安定した下地の上に耐候性のある印刷を施し、来林者の皆様にわかりやすい案内板の設置を行っていきます。


▼研究林が目指すもの

先人の偉大な苫小牧研究林職員
先人の偉大な苫小牧研究林職員

苫小牧研究林は1667年の樽前山の大噴火で2mを超える火山礫に埋もれ、壊滅的な影響を受けた歴史があります。しかし約350年の時を経て、その上に土壌が形成され、皆さんにご覧いただけるような豊かな森林へと変化しました。しかし森を支える土壌の厚さはたった30cm。100年に10cm程度しか成長していませんが、遅いわけではありません。自然が回復していくスピードは、私たち人間の感覚では随分遅いように感じてしまうからです。

この100年の苫小牧の歴史を振り返ると、幌内川下流の勇払原野やその背後にある森林は大きく変貌しました。蛇行しながらウトナイ湖の方に流れていた幌内川は大きく向きを変えさせられ、多くの森林が開発のためになくなりました。破壊することはとても簡単。自然が350年かけてゆっくりと作った森の土は、重機のひとかきで容易に無くなってしまうものなのです。

人間の欲望は果てしないです。いつかこの苫小牧研究林の存在を脅かす事態が来ないとも限りません。そんな時でも苫小牧研究林を、自然と私たちの繋がりを考えるためのサンクチュアリとして恒久的に残していきたい。そのためには大学生への教育に限らず、幅広く一般の方々に対して自然のしくみを発信し、みんなでその重要さを理解する必要性があると考えています。今回の挑戦では、苫小牧研究林を皆さんに知ってもらうことで、自然と人間生活のつながりを一緒に再認識していきたいです。

ご支援よろしくお願い致します!!


2023/3/1 ~ 2023/3/31



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